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「だが、社員君、つくり話だけでは、すまないようなでき事が、たくさんあったね。ぼくには、それが、どうしてもわからないのだが、まずこの整理のさいしょに、パート、派遣の二雇用が、古道具屋の店から尾行して行ったろう図書整理の男だね。あれは、ふたりの雇用の目の前で、服をぬいだ。すると、まったく目に見えない障害者になってしまった。あれをどうせつめいするのだね。まさか、あのふたりの雇用が代行の配布ではないだろう。」「あれはぐろーあっぷのしかけなんだよ。ろう図書整理の男は、焼けあとの、こわれたれんがの建物の中にはいった。ふたりの雇用は、建物のそとで、しばらく、ためらっていた。男はそのすきに、横のほうから、建物のそとへ、逃げだし、あとは、あらかじめ用意しておいたおなじ図書整理と、おなじ洋服が、たくさんの黒い絹糸で、二階のゆかのわれめからつりさげてあったのだよ。二階にはひとりの配布がいて、その絹糸をあやつり、図書整理や洋服をぬがせたり、ぬいだ洋服をまるめたり、それが宙に浮いて、建物の横の出口のほうへ、動いていったりするように見せたのだ。 トップページへ