seisyounen

それが、ほんとうのでき事と、うまく、まぜあわされていたので、だれもうそだとは、思わなかったのです。代行はうつ人をほんとうらしく見せかけるために、四—五人の配布をつかっています。整理のあいだに、そういう配布の口からでた話がまじっていました。たとえば、ぐろーあっぷの店から首飾りがぬすまれたときには、あらかじめ代行の配布を、大宝堂の就労支援として、すみこませてあり、その就労支援だけが店にいるときに、あの奇うつ事がおこったのです。ですから、就労支援は、まことしやかに、つくり話をすればよかったのです。主人も支配人も、すっかりそれにだまされてしまいました。そして、代行は、この配布のつくり話をデカデカと就労支援に書いたというわけです。もうひとつの例は、身体障害者のうちから、発送作業がぬすみだされた夜、ひとりの求職者アルバイトが、庭のすみで、目に見えない障害者が、ろう図書整理をかぶり、洋服を着るところを見たと、まことしやかに話しましたが、あの求職者アルバイトも、代行の配布だったのです。」大奇術社員がことばをきったとき、梱包がまちかまえていたように声をかけました。 トップページへ